Character

登場人物

◇Twilight Garden-Character

「黄金と真紅のコントラストがとても美しい季節だわ」

*ピオニー
*マーガレット(愛称:メグ)
*アイビー ※ピオニーの母、サナトリウムで働く。
*へザー ※メグの母、セクシーな雰囲気の女性。
*アイザック ※ピオニーの父。

Track List

収録曲

01.Serenade

彼女に出会ったのは寒さが和らぎ、花のつぼみがひとつふたつと綻びはじめる春の日だった。
「こんにちは!」
「こ、こんにちは……」
扉を開けた私の顔を見るや否や、彼女は元気いっぱいに挨拶をしてくれた。
ブロンドの髪が黄金色の柔らかな春の日差しに輝き、溶けているように見えて、
一瞬天使なんじゃないかと思った。
「私の名前はマーガレット。メグって呼んで欲しいわ。しばらくここに住むことになったの」
「うん、ママから話を聴いているわ。わたしはピオニー」
「よろしくね、ピオニー」
まるで数年来の友人のように親しげに私の名を呼ぶ彼女の唇は、
さくらんぼみたいに赤くて瑞々しく、加えて笑顔はとても愛らしく、
不思議な胸のときめきを覚えたのをいまでも思い出す。
この想い出は随分と昔のことのような気がするけれど、
そんなことはないような気もしている。

いまでも私は歌うのだ。夜ごと、彼女へのセレナーデを。


02.Twilight Garden


ここは身体の弱い子たちが集まる施設。サナトリウムに近い存在だ。
といってもひとつの大きな建物に皆が住んでいるわけではない。
緑の豊かな驚くくらい広い敷地に、いくつもの小さな家がぽつりぽつりと点在している。

その小さな村のような施設には自然が溢れ、
春夏秋冬、季節ごとに様々な花が咲き乱れており、
私たちが快適に生活できるようにいつも綺麗に整備されていた。
敷地の真ん中には小さな公園……
私たちにとってそこは公園だけれど、イングリッシュガーデンがあった。
隣には毎週日曜に訪れる教会もあった。

背の高い深緑の垣根に囲まれた迷路のようなその庭。
夜になると少し怖かったけれど、天気の良い昼間はそこで過ごすことが多かった。
私はそこに設えられた丸い小さな木のテーブルと椅子に腰かけ、
きみと絵を描くのが大好きだった。
私たちはたくさんの絵を描いた。
柔らかい春の日差しを浴びた日は体調も良かった。


03.pale moon


蒼い月が出ていた。
季節は夏から秋へ移ろうとしていた。
いくつもの穢れた想いが闇に蠢き、私は天使を喪った。

04.Mellow Dream


「あの秋の夜はふたりだけの秘密だよ」

嗚呼、夢の中 笑ってる
夜はもう明けない
幸せな歌はもう私しか知らないの

きみは、いつも、笑ってる

昏く朽ちた園で咲き続ける花

「今日もお庭の花は綺麗だよ」
こうして蓋を開ければ、
いつでも大好きなきみに会えるから……